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貧血

貧血について

貧血は、血液の単位容積あたりのヘモグロビン量が減少している状態で、動悸、息切れ、めまい、易疲労感などの症状が出現します。
主に成長期の子供や生理のある女性に多い病気ですが、ほかにも不足する栄養素や原因によって男性や高齢者にも起こることも少なくありません。
貧血は原因によっていくつかに分類されます。

鉄欠乏性貧血 

最も一般的な貧血で、鉄分不足から引き起こされるものです。
鉄はヘモグロビンの主な構成要素であり、鉄不足になると、赤血球の形成やはたらきも低下します。
鉄の摂取不足や体からの慢性的な出血などによって起こることが多いです。

巨赤芽球性貧血

ビタミンB12や葉酸が体内に不足することで赤血球が成熟しきれず、発症する貧血です。
アルコール摂取過剰の人、動物性タンパク質や野菜を摂取するのが足りない人や栄養の吸収が悪い人、胃切除後の人などが発症しやすいです。

溶血性貧血

赤血球が異常な速さで破壊されるために起こる貧血です。
正常な赤血球の寿命は通常120日ほどですが、溶血性貧血になると赤血球の寿命が短くなります。

腎性貧血

腎臓の機能の低下によって引き起こされる貧血です。
機能低下によって腎臓で作られるエリスロポエチン(EPO)と呼ばれるホルモンが少なくなり、骨髄での赤血球造血作用が弱くなるため、貧血状態になります。

二次性貧血

炎症や免疫性疾患など、他の慢性的な基礎に関連して生じる貧血です。
基礎疾患のために体内の鉄の代謝のあり方が変化し、貧血が生じます。

再生不良性貧血

骨髄で造血幹細胞が正常に働かないことで生じる珍しい病気です。
骨髄が赤血球・白血球・血小板をうまく作れないために、貧血に加え、感染症、出血などの問題も生じることがあります。

貧血の実態

厚労省のデータでは、日本の20-40代の女性の3人に2人は、貧血または隠れ貧血と言われています。
本人は貧血の状態に慣れすぎているため意外と症状の自覚がなく、それが普通ではないと認識できないことも多いのです。
しかし、しっかり治療をしていくと「今までは体が疲れていたんだとようやくわかりました」と気づいてくれることがほとんどです。
隠れ貧血かどうかは、一般的な健診項目だけではわからないので、ぜひ一度検査されることをお勧めします。

貧血の検査

基本的に血液検査を行います(まれに専門施設で骨髄の検査が必要な場合もあります。)栄養不足の可能性を考え、食事内容などもチェックします。

貧血の治療

栄養やホルモン不足があればそれを腸内環境を整えながら補充していきます。
保険適応の薬剤で副作用などが出てしまう場合には、吸収がしやすい形態のサプリメントなども検討します。
また、炎症などの基礎疾患があれば、もとの疾患をしっかり治療しつつ、足りない栄養を基本的には食事から補充し、検査で定期的にフォローしていきます。