糖尿病について
糖尿病とは、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」の量が不足したり、その働きが不十分だったりするために、血中のブドウ糖が多い「高血糖状態」が長期間続く病気です。
糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病、妊娠糖尿病の4種類が存在します。
生活習慣や遺伝的要因が原因となる2型糖尿病は、日本の糖尿病患者の95%以上を占めており、多くの方が「糖尿病」と聞いて想像されるのは、この2型糖尿病かと思います。
糖尿病は高血圧と同様に「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれ、初期には目立った自覚症状が現れません。
軽度の症状としては、喉の渇き、頻尿、疲れやすいなどがあります。
病状が進行すると、体重減少や我慢できないほどの喉の渇きが起こり、これらの症状を自覚してから初めて受診する方も少なくありません。
糖尿病が進行すると腎不全に至り、透析を余儀なくされるケースもあります。実際に、透析が必要になる原因の第一位は糖尿病です。
さらに、失明、下肢の切断といった合併症を引き起こし、日常生活に大きな悪影響を及ぼします。
2023年の「国民健康・栄養調査」では、「糖尿病が強く疑われる」方の割合が、男性で16.8%(約6人に1人)、女性で8.9%(約11人に1人)と報告されています。このように糖尿病は、決して珍しい病気とは言い切れないのです。
糖尿病のタイプ
糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病、妊娠糖尿病があります。
遺伝的要因と生活習慣が原因で発症する2型糖尿病が、日本国内で最も多いとされています。
1型糖尿病
原因は未だにはっきりとされていませんが、突然「自己免疫反応による膵臓のβ細胞の破壊」によって発症するとされています。
体内でのインスリン分泌が著しく低下、または枯渇することで、外部から補充するインスリン治療が必要となります。
小児から青年期に多く見られますが、高齢者の発症も少なくありません。
2型糖尿病
遺伝的要因、肥満、過食、運動不足などにより、インスリンの効きが悪くなったり、十分な量のインスリンが分泌できなくなったりすることで発症します。
幼少期に発症するケースは少ないのですが、肥満が増える青年期以降にはよく見られます。
主な治療法としては、運動による体脂肪の減少と筋量増加を目指し、インスリン抵抗性を改善します。
また、糖質摂取量を適切に管理することで血糖をコントロールします。
食事療法や運動療法にとって目標範囲内の血糖コントロールを行うのが難しい場合は、経口糖尿病薬の処方やインスリン療法を併用します。
糖尿病の方に多いミネラル不足についてもご説明、ご提案させて頂く場合もあります。
糖尿病になりやすい方
以下の項目に当てはまる方は、糖尿病の発症リスクが高いので注意が必要です。
- 血縁者に糖尿病の方がいる
- ご飯、パン、麺、芋をよく摂る
- 清涼飲料水やジュースなど甘い飲み物をよく飲む
- 脂っこいまたは揚げてある食品の摂取量が多い
- 自動車での移動が多く、運動する機会が少ない
- 食事は自炊よりも外食が多い
- 肥満体型である
- 日頃の飲酒量が多い、または飲む回数が多い
- ストレスの多い生活を送っている
糖尿病の症状は
目立ちにくい
糖尿病も「サイレントキラー」とも呼ばれ、目立った自覚症状が現れません。
自覚症状がはっきりと現れた段階では、すでに症状が進行していることが多く、重篤な合併症などが併発していることもあります。
高血糖に伴う
症状について
- 最近、喉が渇きやすくなった
- 頻尿または多尿
- 疲れやすさを感じる
- すぐに空腹感を感じる
- 食べている量に反して体重が減る
合併症に伴う
症状について
- 足の痺れ、足の裏の違和感(神経障害)
- 多汗多尿、口渇感、ED、便通異常など(自律神経障害)
- 目のかすみ、ものが見にくい(網膜症)