疲れが取れない、体がだるいというお悩みがある方へ
長時間の仕事や激しいスポーツの後に、身体のだるさや疲れを感じることがあります。
これは、身体が休息を求めているサインであり、ほとんどの場合、1日ゆっくり安静にすることで改善されます。
しかし、十分な休息をとっているにもかかわらず身体がだるい、疲れが取れない場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。
体の疲れが取れない原因・疑われる病気
風邪などの体調不良
風邪やインフルエンザの症状として、倦怠感や疲労感が挙げられます。
この場合、発熱や鼻水、喉の痛み、頭痛、関節痛などの他の症状が見られることもあります。
まずは安静にして内科へ相談してください。風邪やインフルエンザが良くなるにつれて、だるさや疲労感も改善されます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時間をきちんと作っているのにもかかわらず、日中の倦怠感や疲労感が続く場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。睡眠中のいびきや無呼吸、中途覚醒、日中の眠気などを指摘されたり自覚している場合は特に可能性が高くなるため、その場合はぜひ一度検査を受けることをお勧めします。
睡眠不足
睡眠は私達にとって必要不可欠な習慣で、非常に大切な脳と体のメンテナンス時間です。
寝不足の日が1日でもあると、翌日に眠気やだるさ、疲労感を自覚します。睡眠不足を改善していけば、これらの症状も解消されます。なかなかお仕事や家事育児などで難しいこともあると思いますが、最低でも1日6時間以上の睡眠時間をとることをお勧めします。
睡眠環境、時間、ストレスなどを調整、工夫してもなかなか眠れない場合は、一度ご相談ください。
自律神経失調症
過度なストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣などにより、自律神経のバランスが乱れた状態です。
呼吸器や循環器、消化器などの調子が悪くなり、倦怠感が症状の1つとして現れることがあります。
食生活を含む生活習慣を徐々に整え、自律訓練法などの自律神経を整えるセルフケアを行っていくと症状軽減に役立つと言われています。それでも調子が改善しない場合は遠慮なくご相談ください。
栄養バランスの問題
栄養バランスに問題があると、エネルギーを十分に作り出せず、体のだるさや疲労感が起こりやすくなります。
糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルをきちんと摂取しましょう。
特に現代人は糖質脂質過多、タンパク質ビタミンミネラル不足になりがちなので、意識して食べるものを選びましょう。
貧血による酸欠状態
貧血を発症すると、体内で酸素を運ぶ機能が崩れ、エネルギーの産生能力も落ちます。
その結果、体のだるさや疲労感、頭痛、息切れなどの症状が起こることがあります。
厚労省のデータによると、日本の20-40代女性のなんと65%(3人に2人!)が貧血もまたは隠れ貧血と言われています。
貧血は保険診療内の血液検査で簡単にわかりますので、気になる方は気軽にご相談ください。
副腎疲労症候群
副腎疲労とは、学術病名ではありませんが、一般的に長期的なストレスや不適切な生活習慣などによって副腎の機能が低下し、体に必要なホルモンの分泌がうまくいかなくなる状態のことを指します。
学術的にはHPA軸機能障害(視床下部-下垂体-副腎軸)と言います。
症状としては、疲れやすさのほかに朝起きにくい、思考力の低下などがあります。
いわゆる「うつ」に似ている部分も非常に多いです。
原因としては、コルチゾルという副腎皮質から出るホルモンが、体内の炎症や血糖値の急激な変動や肥満、慢性的なストレス、不適切な睡眠などによって過剰に分泌されてしまうことがあげられます。
その結果、コルチゾルの生産が追いつかず、枯渇しかかっている状態になるためにいろいろな症状が出現します。
診断には自費診療ですが、唾液ストレス検査で行うことができます。
その結果をもとに重症度を確認し、適切な治療を行っていきます。
検査
睡眠時無呼吸症候群の可能性がある場合、ご自宅で簡易検査を受けることが可能です。
センサーを指先と鼻に取り付け、いつも通りに眠るだけで検査が完了します。
簡易検査で診断が確定しない場合は、さらに精密検査が追加されます。
検査結果を受けた後
睡眠時無呼吸症候群の確定診断がついた場合は、CPAP療法や生活習慣指導などの治療を行います。
逆に、睡眠時無呼吸症候群ではないと診断された場合は、その症状に適した検査や治療を実施します。必要に応じて、専門の医療機関への紹介も行います。
疲れが取れない時の対策
しっかり栄養を摂る
体に足りなくなっている栄養、特にストレス下で消耗が激しいビタミンCやビタミンB群、亜鉛やマグネシウムなどのミネラルやタンパク質が豊富に含まれている食事をすることが大切です。
具体的にはたっぷりの新鮮な野菜や適度な量の果物、魚や卵、豆製品、脂身の少ない肉、あまり精製されていない穀物(発芽玄米や雑穀米入りのご飯)などの食材がお勧めです。
食欲がでない場合は、栄養がしっかり溶け込んだ出汁スープからでも良いでしょう。サプリメントでの補充も有効です。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送ることで、自律神経のバランスが改善され、体の機能が正常化します。
これにより、睡眠の質も向上し、体のだるさや疲れの軽減にも繋がります。
きちんと睡眠時間を確保する
体のだるさや疲労感は、体から「休息が必要です」というサインです。
早めに就寝することをはじめ、寝酒を避ける、寝室の環境(温度・湿度・寝具)を良くする、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることも、睡眠の質の改善の助けになります。
適度な運動を心がける
適度な運動は、睡眠の質の改善だけでなく、ストレス解消にも期待できます。
また、肥満を解消することで、睡眠中の無呼吸も改善されやすくなります。
散歩や軽めのジョギング、ヨガ、ストレッチなど、疲れすぎず習慣化しやすい運動から取り入れてみましょう。
また、きちんと休息時間を確保しているのにもかかわらず、体のだるさや疲れが取れない場合は、何らかの体の異常が隠れているかもしれませんので、医療機関へ受診しましょう。
「どの科に相談すればいいのか分からない」とお悩みの場合は、当院にご相談いただいても問題ありません。
風邪や睡眠時無呼吸症候群などの可能性にも考慮しながら、必要な検査を実施します。
また、耳鼻咽喉科や心療内科・精神科などへのご紹介にも対応可能です。
重要なのは、放置せずに医療機関へ相談し、原因を特定することです。
原因が判明できれば、それに合った治療や対応を続けていくことで、症状が改善されやすくなります。